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助成番号
98_4_1_10
研究テーマ(和文)
鉄道サービスにおけるデザインの課題とそのマネージメント
研究テーマ(欧文)
Research of design subjects within Railway services and its management
研究代表者
氏名
カタカナ
スギヤマ カズオ
漢 字
杉山 和雄
ローマ字
Sugiyama, Kazuo
研究代表者年齢
55
研究期間
1998〜1999年
報告年度
1999年度
研究体制
個人研究
研究代表者所属機関・職名
千葉大学 大学院 自然科学研究科・教授
※所属、氏名、年齢は助成対象決定時のものです。
 

鉄道サービスにおけるアメニティーの向上は、普遍的なテーマであるとともに、今後の鉄道文化において欠かすことのできない重要な課題である。この鉄道文化におけるアメニティーの向上に貢献する一つにデザインが存在する。しかし、従来の範疇で考えられてきた色や形だけを扱うデザイン、駅舎や車両のデザインが良いだけでは、21世紀における鉄道文化を創造することはできない。

 
そこで本研究では、鉄道サービスにおけるデザイン課題を抽出するとともに、そのデザインのマネージメントについての検討を行うことを目的としている。鉄道サービスにおけるデザインを、個々の駅舎・周辺環境・車両外観・車内空間などの単体として扱うのではなく、鉄道サービスという観点よりシステムとしてとらえることで、新たな鉄道サービスのデザインの在るべき姿とその方法について研究を行う。
 
デザインが日本の鉄道経営のなかでどのように行われてきたか、その流れを以下に示す。
 
日本国有鉄道(国鉄)時代は保有する大量の車両の運用とメンテナンスを効率よく行うため、標準設計を主な課題としていた。それゆえ、安全性や定時運行を高いレベルで実行でき、運用面では信頼性を得ていた。しかし、標準設計は経営側の効率を重視する論理に従うものであるため、デザインはあまり顧みられなかった。結果、鉄道利用者へのサービスはあまり考慮されないことが多くなり、サービスの質が低下し利用者離れの原因を生み出したと思われる。
 
それに対し、国鉄が分割・民営化し発足したJRグループは、鉄道の再生・活性化をめざし“生活創造企業”、“未来志向企業”、“人間尊重企業”をビジョンとして経営を行った。これらのビジョンを中心とし、標準設計の思想に加え、路線別、地域別に柔軟に対応したデザインもなされるようになった。これは「デザインは経営要素の大事な要因(JR九州社長の石井幸孝氏)」といったような、JRグループがデザインの重要性を認識し、積極的にデザイン計画を取り入れ始めたことによるものである。
 
本研究における鉄道サービスとは、利用者の使う駅や車両などの輸送系サービス、物販や情報提供などの生活サービスといった利用者との関わりが強い部分とする。次に、デザイン課題とは、利用者にとって利用しづらい設備やサービスなどの問題点、または、鉄道サービスのシステムでまとまりのない部分のこととする。デザインの課題は主に利用者の視点に立ったものであり、提供者の視点も含みはするが駅長室や変電設備などの利用者のない施設は除外する。これらのデザイン課題は、現状で行われている設備、車両等をその単体でデザインするといった行為のみでは対応できるものではない。それらの複合である鉄道サービスというハードとソフトを一体化したシステムを対象としてデザインすることにより解決することが可能である。そして、デザイン課題の検討は提供側の理論ではなく、利用者のニーズに応える方向で進めなければならない。
 
鉄道サービスのシステムとデザイン課題の関連性を見るためと、その抽出、整理を行いやすくするために鉄道サービスの区分を行った。鉄道サービス本来の輸送業務を果たすのに必要なものを、利用者の見地からグループ化することで「駅」、「車両」、「周辺環境」、「接続」の4つの区分にわけられた。鉄道サービスの各区分において、それを構成する要素を抽出しマップ化した。またそれぞれにおいてより細かい分類、考察を行った。
 
 
 
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